mainichiamatouのブログ

超長かったり、超短かったり。

『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』

 こんにちは。かなり放置していたこのブログをまた活用したいと思い、久しぶりに記事を書きました。それでね、今まで公開した記事や残っていた下書きを読み返したのですが…

 

 

すっっっごく恥ずかしい!(笑)

 

 

 たった2~3年前に自分で書いた文なのに、若っ!と思う部分が沢山あるし、妙に明るくて気持ち悪い(笑)記事の締め方もなんか毎回腹立つし……

 

 でも当時は自分なりに頑張って考えていたんですよね。それに誰かに読んでもらうためのブログというよりかは、自分が感じたことを思い出すための日記として書いているので、今はそのまま残すことにしました。笑えるし。

 

 

 さて、今回の記事は最近見た韓ドラについてです。ここでひとつ、この記事を読もうとしている方に伝えておかなければいけないのが

 

 

がっつりネタバレを含んでいる、ということです。

 

 

 この作品をより多くの人に見てもらおう!という気持ちで書いたのではなくて、ただ単に自分の感想をつらつら残しました。むしろまだ見たことない方は、この先は読まないでください(笑)私自身はあまりネタバレを気にしません。既に見た人からあらすじや感想を聞くのも好きなのですが、どんな作品でも内容を知らずに見た方が絶対面白い。それに見る前に知っている情報があると、集中力が下がるからその作品のことを好きにならない気がします。でもなんとなく見た映画が面白かったりすると、目が離せなくなるし、お気に入りになる。私は『エターナルサンシャイン』を見たときにそんな経験をしました。

 

 なので、この記事のタイトルになっている作品を見たことある方は気の向くままに。まだ見たことないけどこれから見る予定の方、見たいと考えている方は、是非ネットフリックスで見てから!また読みにきていただければ嬉しいです(笑)

 

 

 前置きなのですが、韓ドラってものすごく長くないですか?基本的に20話以上あるのがスタンダードな気がします。30話も当たり前。10話ほどで完結する邦ドラマに慣れていた身なので、初めて韓ドラを見ようとした時はエピソードの多さにげんなりして見始める前から疲れを感じた記憶があります。(当時『太陽の末裔』を見ていた気がする。)

 

 しかも個人的には主人公たちがなかなか幸せになれないじれったいドラマはつらいんですよね。特にロマンス作品なんかは長ければ長い分くっつかないし、二人の仲を引き裂く壁にぶち当たるし、すれ違いまくるしで、(それが醍醐味)

 

ああもうタプタッペ~~~~~~~!!!!と悲しくなります。

 

 せっかちゆえなところもあるのかもしれません。いつも、早くこの二人が仲睦まじい姿を見たい!!幸せだけをくれ!!みたいな思いで視聴しています。韓国の俳優さんたちはみんな美男美女で見ているだけでも満足みたいなところがあるので、結局諦めずに見続けるんですけどね。ちなみに早送り、エピソード飛ばしは得意技です。

 

 

 そしてつい先日また新たな作品を無事見終えました。わー!!なんだこのやり切った感!!韓ドラ一作品見終わった後の、あのいっときの快感と小さな興奮がクセになっている方、いるんじゃないでしょうか。むしろその一瞬を味わうために韓ドラを見てるみたいなとこ、あるんじゃないでしょうか。今まで見た韓ドラの数が決して多いわけでもないのですが、久しぶりに「これは!!」と胸に刺さる韓ドラに出会いました。それが現地では2018年放送の『밥 잘 사주는 예쁜 누나』邦題『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』です。この作品で好きな点、印象的だったことについて書いていきます。

 

 

現実味を感じるストーリーが好き

 主人公はソン・イェジン演じるユン・ジナ(35歳)とチョン・へイン演じるその恋人ソ・ジュニ(31歳)その他の概要は省略しますね。ソン・イェジンさんは『私の頭の中の消しゴム』の主人公で、最近の作品だとヒョンビンと共演した『愛の不時着』のヒロインです。チョン・へインくんは『トッケビ』にもちょこっと出ていたし、『ある春の夜に』という作品でも好青年なヒーロー役を演じています。昔からちょい役でいろいろな作品に出演してるっぽいです。(詳しくは知らない。)この二人の絡み、可愛かったなぁ~~~。ジュニがちょっとあか抜けないというか、青臭い感じがまたリアルで良かったんです。ユン・ジナも絶妙に覇気が無くてね~~~~。ソン・イェジンさん、素朴なキャラクターがよく似合う。そう、私がこのドラマを気に入った理由のひとつは、現実味があるという点です。出てくるキャラクターたちが、みんな絶妙に「いるわ~~こういう人~~」と思わせてきます。(少なくとも私にとっては。)しかもエピソードの内容もこっちがトラウマに陥りそうなくらいリアルだったんですよね。こういう状況、問題、ありふれたものだよなあと思わされることが多かったです。

 

セクシュアルハラスメントというトピック

 なかでも私が特にショックを受けたのがエピソード2か3なんですけど。(そこハッキリせい。)ユン・ジナや彼女の後輩たちが酒の入った男性上司たちに当たり前のようにセクハラを受けるシーンがあって。その場面がものすごくリアルだったし、彼女たちの内心嫌がりながらも受け流してしまう反応や、抵抗できない雰囲気なんかが痛いくらい伝わってきました…そのエピソードを見てからは続きを見るのが怖くて、一週間ほど先を見る気になれませんでした。そう、わりと序盤で大ダメ―ジを負った自分…でもこのセンシティブなテーマの存在が、このドラマを最後まで見るきっかけになりました。ただのロマンスものじゃなくて、社会的な内容も織り込まれているのが嬉しかった。しかもこのセクシュアルハラスメントが、物語の最後の方までがっつり影響してきます。

 

ヘリコプター?それとも毒親

 次に印象に残っているのが、主人公の母キム・ミヨン。「人間は人柄の前に家柄が大事」「学歴も両親も無い人間とは縁を切れ」と堂々開き直るツワモノ。娘であるユン・ジナに対しても、とにかく家柄の良い男性と結婚するように迫る。(もはや脅迫に近い。)物語の冒頭からこのようなミヨン節を効かせてきますが、どんどんどんどん強くなっていくからこれまたつらい。このオンマの恐ろしいところ、ジュニやギョンソン(ジュニの姉でジナの親友)を本当の子どもだと思っているとさんざん強調しておきながら「あんたたちには情があったから今日まで耐えてきたけど、本当ならウチの家に一歩も入れたくないわ!この親無し恩知らずめ!」(要約)と怒鳴り散らすことができてしまうところ… 学歴差別するわ男女差別するわ年齢差別するわで、もう視聴者として怒りにぷるぷる震えていました(笑)

 

 そんなミヨンに、ジナの弟スンホが見かねて放った言葉がなかなか痛快で。

 

スンホ「母さんそれは暴力だよ!!姉さんを精神的に追い詰めて二人を別れさせようとしてるじゃないか!本当に自殺でもしたらどうするんだよ、自殺っていうのはな、めったに起きないことなんかじゃないんだよ!俺だって学校になれなくて毎日死にたいと思ってた。それくらい誰にでも起こりうることなんだよ!!」

 

 ミヨンは絶句していましたが本当にその通りだと思いました。最初はよくいるヘリコプターペアレントかと思っていたけど、もう最後はある種の毒親では……?とすら感じましたね。

 

 

常軌を逸した元カレへの対応が許せない

 見どころというよりかは、ありえへんやろ!!と不満が爆発した点です(笑)ジナの元恋人ギュミンは家柄も良いエリートですが、若い女の子と浮気をしてその後破局。しかし結局ジナのことが諦めきれず、その後もしつこく迫ります。その行動が徐々にエスカレートしていくのですが、それに対するジナの対応が甘い!というか、ありえない!!!

 

 まずギュミンは破局後ジナの職場に押しかけ、「俺は諦めないからな!!」とかなんとか言って強引にハグやキス。逃げるジナを追いかけて襲います。もうこの時点で最悪。完全にクロの警察沙汰案件なのに、ジナは「次何かあっても自分で何とかできるから」とかなんとか言って放置。その後も「この日を覚えてる?」と書いたメッセージカードと二人の事後の写真を添えた花束をジナの勤める本社に送るなど、ギュミンのしつこい嫌がらせは続きます。完全にストーカー性犯罪者と化したギュミンですが、ジナはキレて一人で相手の家まで殴り込みに行ってしまう…

 

 いやそこ出るとこ出てよ!!!(泣)もうこっちがしんどいよ!!!(泣)それにそんな奴の家に一人で行かないでしょ危ないでしょ!!(泣)でもこれで終わりではありません。ギュミン名義で契約したジナの携帯を替えに行く名目で二人きりになったところを、ギュミンが「一緒に死ぬ」と言って車で暴走します。

 

 

 ……え?………なんでふたりで行くの....…?(困惑)

…そしてどうしてノコノコと変態ストーカー野郎の車に乗れるの……???(大困惑)

 

 

 この瞬間ジナに対してドン引きしてしまいました。今まで何度も嫌がらせされて強姦まがいの目に遭っているのにも関わらず、危機管理能力が低すぎて絶句………

 

 案の定、車は途中で事故に遭います。二人は大事には至りませんでしたが、ジナはこのことを両親に伝えません。

 

 

………え?………………そこ、報告しなよ………

 

 

 もちろん事故後駆けつけてくれたのは、このあと交際を猛反対されることになるジュニです。ここでそれを伝えていれば何か変わるかもしれないのに…..そしてギュミンの浮気を知ってもなおそいつと(そいつ)結婚させようとしている母ミヨンに、ギュミンの本性をわからせるまたとないチャンスなのに....(泣)

 

 

………ていうか殺人未遂では?懲役は………?(現実主義な視聴者)

 

 

 幸いにも(?)この事件のあとギュミンとは縁が切れたので、以降悩むこともありませんでしたが………(私が)長い間なかなか不快でした………

 

 

親としての責任を放棄した(元)父親に対して

 ミヨンから家柄が良くないと責められ続けるジュニですが、母親は既に他界し、父親は再婚相手との間に子をもうけ外国で暮らしています。父親はこれまでジュニとギョンソンに連絡をほとんどとらず育児放棄状態。ふたりは長い間姉弟だけで生きてきました。ジュニは父親のことを父と思っていないし、もう金輪際関わりたくもないと考えています。そんなジュニを見かねて「大人になりなさい」と言ってしまうジナですが、これまでジナの言うことは何でも素直に聞き入れてきたジュニが「ヌナに何がわかるんだ」と怒ります。そのあとのジュニと姉のギョンソンの会話が響きました。

 

 

ジュニ「俺が悪いのか?」

 

ギョンソン「私だって父親のことは好きじゃないわ。けどどうしろっていうのよ、私たちにとって唯一の親なのに。」

 

ジュニ「必要な親なのかよ?」

 

ギョンソン「必要かって、お互いに生きていれば偶然顔を合わすことだってあるのよ。」

 

 

 個人的に、ジュニの気持ち、よ~~くわかります。痛いほどわかる。もはや自分たちにとって不必要な存在で、関わりたくもない。だけどギョンソンの言う通りで、どちらかが死なない限り全く関わらずいない存在にするのは難しいんです。それこそ親と子の因縁といえるのかもしれません。だからこそ恨みつらみを抱えて生きるのではなくて、会った時には作り笑いくらいできるような心持でいられたら、自分も楽だろうと、自身のためにそうあるべきなんだと思わされました。

 

 だけど会いたくないと拒否しているジュニに、無理やり笑顔で父親を見送らせるジナはやってはいけない一線を越えたと思います(笑)

 

 

濃縮されたドラマほど……

 いろいろなツッコミどころはあれど、考えさせられることも多く総合的に満足度の高いドラマでした。そして迎えた最終回……見終えた感想は、

 

 

 

「物足りない」です。

 

 

 

だってもっとジュニとジナが幸せに過ごす画が見たかったんだもん~~~

 

 

 ふたりはなんとかくっついたけど結局まだ母親にも認められていないし、腰を落ち着けたジナと大人の男性の顔になったジュニがどんなふうに過ごしていくのか、もっともっと見守りたかった。しかもこれまで比較的丁寧に描かれてきたストーリーの流れが、最後の二話で急に雑になったように感じました(笑)物理的に不可能では?と気になってしまう部分を作られると、それ以降ずっと気にしてしまうのであまり重要なシーンものめり込めず....

 

 きっとそれまでにさんざん二人をいちゃつかせている分、最後があっさりしていたから物足りなかったのだと思います。内容が繊細な作品で物語をうまく締めくくるのが難しいのはよくあることですね。というか自分が満足できるかできないかの問題かな。

 

 

 結末は期待していたものとは違ったけど、総合的にみてお気に入りのドラマの仲間入りになりました。上で述べたこと以外でこのドラマの好みな点を挙げると

 

ソン・イェジンさんが好き

・主人公たちを間近で見ているようなカメラワークが素敵

・挿入曲が心地よい

・色彩が落ち着いていて良い

・ジナとジュニの性格が優しくてあたたかくなる

 

 といった感じ。ずーっと見ていても飽きのこないおしゃれな画面と、寝る前に見てもほっこりする音楽がとても好きでした。あとメインとなる二人だけでなく、(ジナの母、元カレ、セクハラ上司などを除く)周囲の登場人物がみんな物腰柔らかい性格で見やすかったです。

 

  久しぶりにお気に入りの作品に出合えて嬉しいです。サウンドトラックも作業する時なんかによく聴いています。Apple Musicで韓国語の原題で検索するとプレイリストが出てくると思うので、ぜひ検索してみてください。